寄稿 柴田 德思さん (7期) 松溪中学での講演

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松溪中学での講演

松溪中学では創立70周年の学習で「歴史が照らす未来へ~私のメルクマールを残そう」のテーマのもと、一人一人が自由な表現で発表しました。今年度のテーマは「~私のメルクマールを残そう~その先へ」です。調べるテーマは「人の営み」で、その中の分類として「環境と科学技術」、「日本の今後の課題」、「戦争と平和」、「文化・芸術」が置かれています。

 赤荻校長先生から、僕が放射線に関する研究を行ってきたご存じで、3年生の学習の一環として放射線に関連する講演を頼まれました。そこで、
講演の題目:「長く物理に関連する仕事に携わって」
1)科学に興味を持ったのは
2)放射線に関連する話
    (1) 放射線の基礎
    (2)放射線の利用
    (3)放射線の影響
という内容の講演をしました。

 僕は小学生のころから雑誌「子供の科学」を読んだり、友達がラジオを作っているのを見て真似をしたりして、将来は研究者になりたいと考えていました。研究者になるには勉強しなければと思っていたのですが、何かにうちこんだということもなく勉強は小学、中学、高校としなかったので(ただし、身体が小さかったのでクラスではいつも一番前の席で、授業は真面目に聞いていました)。一年浪人をして大学へ行きました。その浪人の間、初めて真面目に勉強しました。

「1」科学に興味を持ったのは」、の所では、このような経験の話をして、自分が成りたいと思うことは、諦めずに努力すれば成れるものだということを伝えて、放射線の話に入りました。

後日、赤荻先生がら生徒さんの感想を送っていただきました。108名の生徒さんからの感想です。感想の多くは、放射線は悪いものだと思っていたけれど、いろいろな所で役に立っていることを知り驚いた、というものでした。また、諦めないで続けることが大事だという感想を持った生徒さんも多数おられました。生徒の皆さんが熱心に聞いている様子は嬉しいものでした。

「柴田德思さんのプロフィール」
1957年松溪中学卒業、1970年大阪大学大学院博士課程単位取得退学、
現在、東京大学名誉教授、株式会社千代田テクノル大洗研究所所長、

備考:本稿は同窓会ニュース第9号、2019年秋号に掲載されています。
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